女性の健康に取り組むスタートアップ5社、Wonder Women Collectiveを創設【5月の注目ニュース】
NEXTBLUEのXアカウントでは、女性のウェルビーイング領域に関する欧米の注目ニュースを日本語で配信しています。今回は、5月に投稿した中でも特に注目のトピックをより深掘りしてお届けします。
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【女性の健康に取り組むスタートアップ5社、Wonder Women Collectiveを創設】
女性の健康に関するポイントソリューションを提供するスタートアップ5社は、Wonder Woman Collectiveという団体を立ち上げました。
初期の参加メンバーは下記の5社ですが、今後新たな企業も参加予定とのこと。
Paloma Health:甲状腺機能低下症などの甲状腺疾患ケアを専門とするバーチャルクリニック
Seven Starling:不妊治療や妊娠中、流産や産後女性のメンタルヘルスケア
Neura Health:慢性頭痛と片頭痛ケアに特化したバーチャル神経科クリニック
LEVYHealth:生殖医療と不妊治療のための臨床意思決定支援ソフトウェア
Origin:バーチャルと対面による骨盤底と全身の理学療法の提供
上記の通り、各社は、女性の健康の中でも具体的なソリューションに取り組んでおり、Wonder Woman Collectiveを通じて提携することで、各社が抱えている患者を紹介し合うことが可能になります。例えば、Neura Health社が抱える片頭痛患者の60%は、精神疾患を併発しているため、同社はすでにSeven Starling社に患者を紹介しています。
また、保険会社などとの契約を加速させることもこの提携のメリットの一つです。保険会社や雇用主は、積極的に女性の健康に関するソリューションを提供するスタートアップと提携していますが、ポイントソリューションを提供する各社それぞれと契約しなければならないことから来る”疲弊”が大きな課題になっています。Wonder Woman Collectiveを通じて、女性の健康ソリューションを統合的に提供することで、保険会社はそれぞれのベンダーと契約をするプロセスを合理化することが可能になります。
各社が持つ医療記録などのデータを匿名化し、研究者が一般に利用できるようにすることも計画しています。これは、データ不足が慢性的な課題となっている女性の健康領域において、R&Dを加速させる大きなイニシアチブになるでしょう。
類似の取り組みとして、今年5月に発表されたWomen’s Health Coalition for Digital Solutions(デジタルヘルスソリューションのための女性の健康連合)があります。
様々な女性向け健康サービスを統合し、雇用者負担の医療給付を通じてより利用しやすくすることを目標として立ち上げられた連合です。心理カウンセリングを提供するTalkspace、妊活、出産、産後ケアから更年期に至るまで包括的な女性の健康サービスを提供するOvia Healthに加え、ホルモン補充療法などを提供する更年期バーチャルクリニックのEvernow、有酸素運動やヨガなどのエクササイズコンテンツを提供するFitOn、オンライン経口避妊薬処方のNurx、妊活支援のConceive、管理栄養士から栄養指導を受けられるNutrium、片頭痛特化のバーチャルクリニックCoveが参加しています。
企業で働く女性は、同じく企業に雇用されている男性と比較し、医療費の自己負担額が$15Bも多いことがわかっています。上記に取り上げたWonder Woman CollectiveやWomen’s Health Coalition for Digital Solutionsは、分散化されたソリューションを統合し、雇用主との提携を促進することで女性の医療アクセスを向上させることを目指しています。