🇺🇸🇪🇺 2025年の女性の健康投資は$1.58B。バイオファーマが牽引、AI診断・更年期ケアが次の成長軸へ【NEXTBLUEニュースレター4月号】

皆様こんにちは。日米欧の女性のウェルビーイング領域に投資をするベンチャーキャピタル、NEXTBLUEの大嶋です。

Silicon Valley Bankが公表した最新レポートによると、2025年の女性の健康分野への投資総額は$1.58Bとピーク時から減少した一方で、アーリーステージの平均バリュエーションは2019年以降で最高水準を記録しました。市場全体として「件数」から「質」へのシフトが進んでおり、バイオファーマ、AI診断、更年期 × Longevityといった領域が、次の成長軸として明確に立ち上がり始めています。詳細は、下記今月の注目ニュース欄をご覧ください。

また、4月27日から開催されるSusHi Tech Tokyoにあわせ、弊社欧米投資先の🇺🇸🇪🇸 FounderNest(AIスタートアップ探索)と🇬🇧 XOXO(次世代ウェルネス炭酸飲料)が来日します。今回の来日に伴い、両社の事業内容と日本市場への展望をまとめたブログ記事を公開しました。


【SuSHi Tech Tokyo 2026】

NEXTBLUE欧米投資先2社、SusHi Tech Tokyo 2026に参加

2026年4月、東京で開催される国際テクノロジーイベントSusHi Tech Tokyo 2026にあわせて、弊社の欧米投資先、🇺🇸🇪🇸 FounderNest(スタートアップ探索ツール)、🇬🇧 XOXO(腸活炭酸飲料)が来日します。今回の来日に伴い、両社の事業内容や日本市場への展望を解説するブログ記事を公開しました。

資料請求・面談のご希望も受け付けておりますので、ご関心のある方はぜひ下記よりお申し込みください。

🇺🇸🇪🇸 AIでスタートアップ探索を革新するFounderNest

🇬🇧 欧州15,000店舗で展開する次世代ウェルネス炭酸飲料、XOXO


【新規投資先:🇺🇸Sage Haven】

AIで子どものオンライン体験を守る新たなインフラ🇺🇸Sage Haven、プレシードラウンドで$3Mを調達

💰 Andreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Accelをはじめとする著名VCのスカウトファンドも出資

📱 8〜11歳の60〜80%がすでにメッセージアプリを利用

💬 グループチャットは小学校低学年から始まり、ネットいじめへの接触もこの段階から発生

🔒 有害なメッセージを送信前にAIがブロック

👀 保護者が自分のスマホから連絡先の承認・会話の確認・AIアラートを一括管理

🔗 iMessageやGoogle Messagesとも互換性あり

AR/AI技術を活用し、オンラインでメガネの試着を可能にするサービスDITTOを創業、売却した連続起業家姉妹が挑む、子どものデジタルデビューの再設計。

NEXTBLUEの投資視点も含めて、詳しくはこちらの記事でご紹介しています。


【今月の注目ニュース】

🇺🇸🇪🇺 2025年の女性の健康投資$1.58B
バイオファーマがバリュエーションを牽引し、AI診断・更年期ケアが次の成長軸へ

▍概要

Silicon Valley Bank(SVB)は、同領域の投資動向と技術革新を包括的に分析したレポートを公開しました。同レポートによると、2025年の女性の健康分野への投資総額は$1.58Bとなり、2024年のピークからは減少したものの、2021年・2023年と同水準を維持しています。

注目すべきは、早期〜中期ステージのメディアンバリュエーションが2019年以降で最高水準に達している点。背景にはバイオファーマ案件の比重拡大があり、同時点でMidi HealthPomelo Careの2社がヘルステック領域で大型調達を実現し、ユニコーン地位を獲得しました。

ケアモデルの変化も鮮明です。Midi Healthは2025年に2ラウンドで合計$150Mを調達し、更年期・閉経周辺期のケアを軸に代謝疾患・肥満・ホルモン健康まで対象を拡大。保険会社や雇用主向けに臨床・財務ROIを訴求する縦断的ケアモデルへ移行しています。

エグジット環境についても、Hinge HealthBillionToOneのIPO成功、BlackstoneとTPGによるHologic買収など、女性の健康を含む事業における大型エグジットの可能性が示されました。SVBは同レポートで、女性の健康領域が単なるニッチ市場ではなく、医療全体のイノベーションを先導する「実証フィールド」へ成長しつつあると結論づけています。

▍NEXTBLUEの分析

Silicon Valley Bankが毎年公開している、女性の健康領域の資金調達レポートの最新版が発表されました。NEXTBLUEでは今回のレポートから、大きく4つの構造変化を読み取っています。

①バリュエーションの変化が示す「質」への転換

2025年は調達件数・総額こそ2024年ピークから減少したものの、アーリーステージの平均バリュエーションは、Silicon Valley Bankが同領域の分析を開始した2019年以降で最高水準を記録しました。背景にあるのは、バイオファーマ案件の比重拡大です。バイオファーマは臨床試験に数年〜十数年を要する長い開発期間と、特許・規制承認による高い参入障壁を持つため、将来の収益ポテンシャルが先行してバリュエーションに織り込まれやすく、ヘルステックと比べて高いバリュエーションがつく傾向があります。また大手製薬会社によるM&Aターゲットになりやすいことも、買収プレミアムの期待値としてバリュエーションを押し上げます。投資家は「件数」より「質」を選ぶ段階に入っており、この傾向は今後の資金調達環境においても続くと考えられます。

②DALYが可視化する「隠れた市場規模」

本レポートで特に注目したいのが、障害調整生存年数(DALY)の観点です。DALYとは、早死による生存年数の損失と重篤な健康問題を抱えて生きた年数を合算した指標で、疾患が社会に与える真のインパクトを測るものです。McKinseyのデータによると、女性の全体的な健康負担のうち生殖・性的健康に起因するものは5%未満にすぎず、一方で女性は精神・行動健康で男性比+34%、筋骨格系疾患で+36%、神経系疾患では+62%ものDALYを負担しています。これらの疾患はこれまで「女性の健康」とは分類されてこなかったものばかりです。逆に言えば、従来の女性の健康投資の定義は市場規模を大幅に過小評価していたことになります。自己免疫疾患・神経変性疾患・筋骨格系疾患を女性特化の視点で捉え直すことで、投資対象の裾野は大きく広がります。

③ AIバイアス問題は、差別化要因になりうる

女性の臨床試験データの不足から生じるAIバイアスは、リスク要因であると同時にビジネス機会でもあります。歴史的に女性は臨床試験から除外・過少代表されてきたため、既存の医療AIモデルの多くは男性を基準として構築されています。その結果、女性特有の疾患発症パターンやリスク因子を適切に捉えられないモデルが医療現場で使用されるリスクが残っています。この課題を正面から捉え、女性特化の高品質データセットを構築し、性差を考慮したモデル開発を行うスタートアップは、汎用AIとの明確な差別化が可能です。特に、マンモグラフィや骨粗鬆症スクリーニング、自己免疫疾患の早期発見など、女性に偏って発症する疾患の診断支援AIは、臨床的価値とビジネス価値の両面で大きなポテンシャルを持つ領域です。日本においても、電子カルテや健診データを活用した女性特化AI診断ツールの開発余地は大きく、規制環境の整備と並行したR&D投資が競争優位につながる可能性があります。

④ 更年期 × Longevityは次なるフロンティアへ

米国でMidi Healthが示したように、更年期ケアを入口に代謝疾患・認知機能・骨粗鬆症まで縦断的にカバーする「中年期の健康包括ケアモデル」は、日本の保険外市場や企業の健康投資領域において大きなビジネスポテンシャルを持つと考えています。特に日本では、更年期症状に悩む女性が専門医にアクセスしにくい構造的な問題が依然として残っており、遠隔医療や女性特化クリニックへの需要は潜在的に極めて高いと考えられます。また、Ouraが更年期・妊よう性トラッキングをユースケースとして拡大しているように、ウェアラブルと女性の健康の掛け合わせは、ハードウェア×ソフトウェア×データの統合モデルとして日本市場でも成立しうる領域です。

総じて、今回のレポートは、女性の健康領域が単一プロダクトや単一チャネルから、ライフステージ全体をカバーする統合プラットフォームへと競争軸が移行していることを示しています。予防医療へのシフトが政策課題として浮上している現在、女性の健康を軸にした統合ケアプラットフォームへの国内外からの注目は今後さらに高まっていくと予測します。


本記事は、NEXTBLUEが運営する Femtech Global Insights の配信内容の一例です。

国内唯一の海外フェムテック/ヘルスケア特化プラットフォームとして、週3〜4本の海外ニュースを、投資家視点の解説コメント付きでお届けしています。


【投資先ニュース】

🇺🇸Forbes|ホルモン版CGM競争:連続ホルモンモニタリング市場の構造分析

唾液ベースの自宅ホルモンモニタリング技術を開発するEli Healthが、Forbesが公開した連続ホルモンモニタリング市場の分析記事の中で、同市場を牽引する主要プレイヤーの一社として紹介されました。

記事によると、連続ホルモンモニタリング市場は2025年時点で約$325.7Mとされ、2035年には$716.2M規模へ拡大する見込みです。さらにその背後には、推定$600B規模の広義のホルモン健康市場が存在します。血液検査中心だったホルモン測定は、ウェアラブル・AI・家庭用検査キットの進化により、「CGM(持続血糖モニタリング)の再来」とも言える連続モニタリング市場へと移行し始めています。

最終的な勝者は、単にデバイスを販売する企業ではなく、長期的なホルモンデータとAI解析を組み合わせた「ホルモンインテリジェンス・プラットフォーム」を構築できる企業になる可能性が高いと見られており、Eli HealthはこのAI×家庭用検査の最前線に位置する存在として注目されています。詳細はこちら


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